背割りにはどんな意味があり、向きがあるのか?深さはどれくらいなのか?強度がどうなるのか?気になることは多いと思います。
どうもカミヤ木工のカミヤです。
私はメール講座をやっていて毎日多くの質問をいただきますが、今回のは
「玄関に作った軒の柱が割れてきました。背割りは入れたほうが良かったですか?」
という質問をいただきました。
使い所や見える場所にもよって変わってくるとは思いますが、背割りについて私なりに考えてみたいと思います。
もくじ
まずは動画をご覧ください。
背割りには多くの意味がありますが、1つ目の目的は「表面の割れを防ぐため」です。
木材は節がない面が多ければ多いほど高額になります。
そのきれいな面が割れないように裏側に回る面に先にノコを入れ割っておくことで割れを防ぐ効果があります。
2つ目の意味は「乾燥を早くさせる」ということ。
角に製材したとはいえ、芯まで乾燥させるにはかなりの月日がかかりますので背割りを入れることで内部からも均等に乾かすことができます。
背割りを入れる場所は基本的には木の背中部分に入れます。
背中を割るから「背割り」ですね。
まっすぐな木の場合は分かりづらいですが、木目の中心線がむくっている方が背中になります。
これは山に育ったときに外側に日がよく当たり、枝が生えるので腹は節が少なく、背中には節が多くなります。
ただ全部が全部背中に背割りを入れるのか?というとそうでもありません。
やはり化粧面がきれいな方が良いので、玄関に使うなら見える方に節の少ない方や、きれいな面を持ってきたいですよね。
一番きれいな方を見える部分に持ってきたときに、裏側の隠れる面に背割りを入れたほうが良いですね。
背割りの深さは基本的には中心より少し深くしたところです。
90ミリであれば45ミリが真ん中なので47~48ミリ程度ですが、できれば芯を捉えたいところですね。
あまり深くするとクサビを打ったときに割れる可能性も出てきます。
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一般的に柱を作る工程は、丸太を角に製材し、背割りを入れ乾燥させ、乾燥後もう一度製材をして整形します。
その後プレーナーや超仕上げで製品となります。
この工程で一般のDIYで材を手に入れるときは大抵角材の状態だと思いますが、このときグリーン材だと乾燥に時間がかかります。
もし割れてほしくなければ背割りはしておいたほうが良いかもしれません。
ただし背割りの開いた部分はあとで整形しなければいけないのですがこれには手押しカンナと自動カンナが必要なので、少し敷居が高いですね。
割れは芯と側の収縮率が違うから起こるので背割りは芯持ち材にのみ有効です。
なので芯去り材と呼ばれる、芯のハズレた材は背割りの必要がありません。
とはいえ乾燥時に多少の干割れは起こる可能性があるので日の当たり具合には注意してください。
背割りをすることで強度はどれほど落ちるのでしょうか?
もちろん割れを入れるのですから強度の低下はあります。
しかし、落ちたとしても低下率数%と言われているのでそれほど気にすることもありません。
では集成材のほうが良いの?と思うかも知れませんが、そもそも体に悪いボンドを使って接合している時点で比べるのはナンセンスです。
時間の経過や湿気で必ず剥がれてきますのでアテにはなりませんね。
多少の低下はありますが、自然にできた割れのほうが致命傷になる場合もありますし、低下率も一律では内で安定した品質の柱を生産するには理にかなっていません。
それに化粧面の割れを守ることが最大のメリットですので、背割りは必要だと思います。
丸鋸に付属しているガイドを使用してください。
鋸しろが2ミリほどあるので、90ミリ角であれば44ミリ程度に設定し丸鋸を通してください。
ただ一回で通すと丸ノコに負担がかかるのではじめは深さ25ミリ程度で通して2回めに深さを48ミリぐらいで通してください。
背割りはないよりあったほうが良いですが、使い所によって考えてくださいね。
「割れてほしくないな」と思う面があるときはその反対側や見えなくなる面に入れると良いですよ。
ただあまり深く考えずに割れも木の顔なのでそれも楽しんであげましょう。
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背割りの講義ありがとうございました。
2mほどの角材を買いに行った事があります。
支払いを済ませて自宅に持ち帰り、使う段になって角材にひび割れを見つけました。店に行き割れているので交換して欲しいと言いましたら、店に出てきたのはそこの奥さんで、「自分は詳しくはないですが、背割れと言ってわざと割れ目を入れて材そのものを守るそうですよ」
と教えていただいた事を懐かしく思い出しました。
今回は裏ずけられるお話に感謝いたします。
森戸さんコメントありがとうございます。
初めて見ればびっくりするでしょうね。
木の木目を大事にする日本独特の習慣でしょうが、先人の知恵には驚かされます。